カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2023.1.6 「合理」と「本性」

『人間の解剖はサルの解剖のための鍵である』という本の感想で、

「次回からふかく感じいった三つのこと…」と書いて休んでいました。

再開したので続きを書きます。

①「合理」と「本性」②「デフォルト設定」③「インフォスフィア」の三つ。

きょうは①)

 

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合理

 

合理的」とか合理性」とかよくいう。

それは経済と相性がいいと、本には述べられていた。

 

経済学での「人間」は、「合理的」に考え行動するものとされている。

つまり、人間は「合理的」存在ということが前提に経済学は成りたっている。

(人間だけが「合理的」というだけでなく、資本主義の市場には見えないところで「合理」という

「神の見えざる手」が働き、需要と供給の関係により「合理的」に商品の値段は決まるとされる

 

ところで、

経済学は、昔は「近代経済学」と「マルクス経済学」しか聞かなかったが、

現代は「行動経済学」というものがあるという。

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この新しい経済学は、ウィキペディアによると、

経済学数学モデル心理学的観察された事実を取り入れていく研究手法

といわれ人間は必ずしも「合理的」に考え、行動するとは限らないとされる。

(人間は心理的・感情的にいろいろあり、頭で冷静に考えてもその通り、「合理的」に行動できない

ことが多い。

こうしたらこうなるとわかっていてもできないことがある

 

行動経済学は、

人間はときに不合理、わけのわからないこと、予測のつかないことをする

ということを前提にしている

 

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著者はこう述べていた。

【引用】伝統的な経済学は、基本的に合理的な経済主体を想定して演繹的に議論を進めてきた。

それにたいして行動経済学は、実際の人間がどのように行動するのかを観察・実験によって知ることを

重視する

 

「人間は合理的」でもあるけれど、(同時に)「不合理」なのだ。

人間をそうとらえないと合理的には)理解できないことがいっぱいある。

(下記「本性」で述べる)(元アメリカ大統領)トランプ」や「自殺」のことなどを

理解しようとするならば欠かせない(と思う)

            

           


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本性

 

本に「人間のある種の自然的性向」という言葉があった(下記参照)

私はこれは人間の「本性」といっていいと思った。

 

【引用】「〈リベラル派は保守派に学べ?

保守の政治観は悪意や無知からくるのではなく、人間のある種の自然的性向からくるものだ

ということを理解する必要がある

 

人間のある種の自然的性向」を本性」とするならば、

その一つに「不合理」があるのではないだろうか。

 

トランプ本人や支持者の言動のうち政策はともかく)どう考えても大統領選の

敗北を認めず、国会突入したことは、決して「合理的」行動とはいえない。

(そういう人物がまた大統領になろうとするアメリカは、良きにつけ悪しきにつけ、人間について

考えさせる)

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人間も生きものだから、自分のいのち、生命の持続をいちばんに願う。

だから、いのちをいちばんに大事にする、守ることは「合理」そのものなのに、

ときとして、いのちを絶つことが本人にとっては合理になる。

(あまりに多いのでニュースにも取りあげられないが、人身事故で鉄道がとまることがよくある。

「人身事故」というけれど、実態は身投げ、自殺が多い。

考えてみると、「自殺」というのは第三者からみれば極めて「不合理」な行為に思われるけれど、

自殺する本人にすれば死ねば楽になれると信じているので、「合理的」なのかもしれない

 

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人間のある種の自然的性向」を本性」といい、「不合理」もその一つならば

合理との区別などあまり意味のあること、たいせつなことではない気がした。

言葉のうえでの「合理」、「不合理」と言いあうのはどうでもいい気がする。

 

私たちが生きるうえで、ほんとうにたいせつなことは、自分の心、胸のうちに

耳を澄ましたら誰でも聴こえてくるものに違いない。

 

 

 

                             

                             ちりとてちん

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