私が強く感じた三つのこと、「東京の一極集中」「建築確認と建築許可」
「「商品」から「幸福」へ」のうち、今日は初めの二つを書き、終わりの一つは
次回(④)にします。
「■ 土地という「魔法の宝」
かつての住む場所や生産の拠点であった土地を、何よりも値上がりが期待される最大の資産・
商品に転換させた
■ バブルの時代
国富は泡でできている…
バブルとは決して違法なものではなく合法的な産物であったことに注目(しなければならない。
つまり国が合法的に起こしたもの)…
■ 近代的土地所有権の限界
■ 管理の発想の限界
東京の一極集中の是正と同時並行的に地方の再生策が図られなばならないのに、
管理にはその発想がない。
■ 人口減少への無関心
不明土地などの発生の大きな原因となっているのが、所有者の自覚不足だけでなく、
「少子高齢化」であるということが、…明らか」
「〈外国の土地所有権-都市計画の観点から〉
■ 人口減少と一極集中
■ 地方創生
何でもありの日本の土地所有権
いくらでも土地を所有可能 利用も、収益も野放図…
■ 外国の都市計画との比較
(外国→「建築不自由の国」 日本→「建築自由の国」)
建築確認と建築許可
(西洋では)行政官の持つこの権限を(建築)「許可権」といい(とても強い権限を有している)
なぜ日本では全国同じように高さも用途もバラバラなコンクリートの町ができていくのか。
また不明土地や空き地・空き家がはっせいするのか。さらに、…マンションが建設されるのか。
日本のような「確認制度」を採用しているところは、欧米はもとより世界中にもほとんどなく…」
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「東京の一極集中」
東京は日本の首都。
地理的に平坦で広い平野部にあり、海にも面し、だいたい国土の中央部に
位置していると自然の条件にしてから全国から人々が集まりやすい。
(地理的偶然ではあるけれどあらためてその位置に感心)
東京は国の政治経済の中枢だけではなく、人の圧倒的多さは当然、さまざまな文化
芸術を生みやすく、それらを享受する機会を持ちやすく、楽しみやすい。
文化・芸術の中心、発信地だから運に恵まれれば秘められた才能が花開く。
そしてますます人、特に若者を集める。
(こういうのを「好循環」というのだろうか。
若い人たちを惹きつける魅力も、他の都市に抜きん出ている)
政治経済の中心地だから働き口も多く報酬も高い。
心配がなければ、これはこれで人の好き好きの問題として見られ、
人口の「過疎・過密」現象が、日本では「過密」が一カ所だけ、つまり東京に
極端に現れた姿をしていることだけで、大きな問題とはいえないのだろう。
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でも、現実的に大地震の可能性はいわれ、(テレビドラマにもよく出てくるテロは
起こりうる。今日なくても明日はわからない)「東京の一極集中」状態は
(心配を通りこし)危険だと私のような者でも感じる。
東京が大災害に見舞われれば、その一地域の被害が日本全体に及ぶ。
(「東日本大震災」は東京にも及んだから初めの一時期だけでも混乱が見られ、東京の人々も
自分の問題として捉えられたけど、「能登」は1年も経ってもこのザマだ。
大被害であっても能登という一地域の問題となっている)
現代のネットを通しての管理・制御、つまりコントロールの「一極集中」状態が
どんな弊害を広く及ぼすかは、一般国民も知っている。
(○○から大量のデータが流出《一人で「流れ出る」わけないから何者かの「盗難」》という
ニュースが多い。こういうデータも「オレオレ詐欺」「闇バイト」に利用されているのだろう)
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「建築確認と建築許可」
住んでいるところの近くには日本一大きな湖があり、広い空、遠くの高い山々や
アリのような対岸の景色が見わたせる。
近くには田畑や低い山々があってすばらしい自然環境。
しかし、湖岸には「これ見よがし」に壁のような高層マンション群が建っている。
「高層マンション」の集合とはいっても、この街は行政的には「中核都市」、
大きな街のようにとび抜けて高く大きいのが集中しているわけではない。
(ただ、「平野」というほどの広さの平地がない狭いところの水際に多数のマンション。
たぶん不動産や開発業者たちは目いっぱい狭い土地を活かすため、建物は横には広げられない分、
縦に伸びて戸数を増やす作戦に出たようだ。入居者募集には湖からの眺望をウリにし、
湖岸の平地活用限界ギリギリまで建てる)
私は嘆く。「昔はこんな風ではなかったのになぁ」。
(就職でこの地に引っ越した1980代の始めは田んぼや畑が多かった。
2000年代にかけて目ぼしい土地はどんどん宅地化され、新興住宅が建った。
《高架のJR線添いは田畑ばかりで、小さな溝があった。そこではザリガニが獲れた》
でもまだマンションが建つことはあまりなかった。
ここだけのことかもしれないが《偶然にも》スマホが出始めたころからマンション建設ラッシュが
始まった気がする。
初めのころは湖岸からはいくらか離れていたのに、2010年代,2020年代になると
離れたところの土地はなくなり、それまで建っていた大型のホテル、娯楽施設、パチンコ屋などの
商業施設に代わり《それらは「バブルもはじけ、リーマンショック」の影響も受けて立ちいかなく
なったのだろう》湖岸という水際を攻める形でマンションばかりが建てられた)
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本を読み、自分のところだけではなく、日本には住民のための「都市計画」が
存在しないと痛感した。
そのことは、この本(細かなところも教えられ、初めて知ることもいっぱいだったが)を
読む前から実感していた。
(テレビなどで日本のような「先進国」といわれる世界の都市を見ると、日本の都市のように
高いビルやマンションが平然と建っているのはアメリカくらい。
ヨーロッパなどは、高層ビルがあってもあまり目立たない。
きちんと「都市計画」によって許可され建てられているのだろう。
著者は「都市計画」のことだけではなく、すべての国土利用計画についての話だという。→
不動産屋など《要するに資本のある者》の利益追求、儲けという「資本の論理」尊重の前に、
土地所有者の利用、活用自由を最大限に認める国が日本なのだという。
「日本のような「確認制度」を採用しているところは、欧米はもとより世界中にほとんどな」い
とのこと。
何でも「一長一短」ならば、「短」に慣《馴》れればいい。
「住めば都」も何についても当てはまる。
長く「住む」と慣《馴》れ、初めは気になったこと、不快なことにも慣《馴》れるばかりか、
新たに「長」を発見し、楽しむ。
《悪いことに慣《馴》れると恐ろしいが、私は自分の障害に慣《馴》れてよかった》
そう見れば「東京の一極集中」も「建築確認と建築許可」も問題ない、といえるのかもしれない。
しかし、一度限りの個人の人生ではそうであっても、たくさんの人々の人生にはやっぱり問題だ)
去年今年 貫くパンの ソーセージ 後藤貴子