カメキチの目
「たたらを踏む」という言葉がある。
それなんじゃ?と若い方は思われるかもしれません。
「語源由来辞典」より
【引用】【たたらを踏むの語源・由来】 たたら(踏鞴)は、金属の精錬・加工に必要な空気を送り込む大型の送風器「ふいご(鞴)」のことで、足で踏んで空気を吹き送る。たたらを勢いよく踏むさまが、空足を踏む姿と似ていることから、勢い余って踏みとどまれず数歩あゆむことを「たたらを踏む」というようになった)
先日、マンションのエレベーターに乗ったとたん、たたらを踏んだ。
そのときは、扉が閉じようとしていた。
しかし、杖をついていても間にあいそうだったので、あわてて乗った。すべり込みセーフ!
「セーフ」はよかったのだけど、先客がおられた。
その人はこっちより若そうな60代の男性でおひとりだったが、私は他人がいると気をつかい、ちょっと緊張する。
小さくなろうとして(ドラえもんのようにほんとうに小さくなるのではない)、姿勢を少し(45度。ゆっくりではあったが)回転させた。
そのときよろめいた。(「勢い余って踏みとどまれなかった」のではないので正確には「たたらを踏んだ」とは言わないか)こけそうになった。
エレベーターのなかでこんなぶざまを演じたのは初めてだった。
その方は心配して声をかけられた。「大丈夫ですか?」
こっち「ハイ!大丈夫です。ありがとうございます」
その方「足が悪いのですか?」
こっち「頭が悪いのです(「悪い」と言われ、つい「頭」と答えてしまった)。平衡障害といって、身体のバランスがとりにくいのです」
それだけのやりとりで、エレベーターは目的階に着いたのでよかった。
7年くらい前には郵便ポスト前の広場で派手にこけたことがあった。そのときはまったくの転倒だった。
同じように郵便物をのぞきにこられていた男性がビックリ。とうぜんだろう。大の男が突然、ひっくり返ったのだから(このときも身体を45度くらい回しただけ。速かったち違いない)。
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世の中は広い。いろいろある。
さまざまな人がいる。
私は自分が「平衡障害」という障害をもって、初めてそういうものがあることを知り、当事者となったので実感もした。
(その障害は事故に遭ったときの、バランスをつかさどる耳の奥ふかくにある「三半規管」の破壊・損失によるけれど、同時に脳にある神経もやられたので、眼振など他にも不快な症状があります。ブログの目的に、こんな障害があることを知っていただきたいのもあります)
で、「世の中は広い。いろいろ…」を強く思うようになった。
「障害」も個性のうちということをよくいうけれど、そのいい方が気にいっている。