カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2019.12.10 「滿洲」

        カメキチの目

 

 

 中学校の歴史授業はいまも、もう三学期は終わり

時間がない」と、近現代は「戦前」で終わっている

のではなかろうか?

 

 戦争のこと、子どもたちはきちんと教えられている

のか?

 近現代の戦争の残酷さ醜さを教えれば、純真無垢な

子どもたちの心が傷つく、先祖を敬う心が阻害される

とでもいう理由で、簡単に触れるだけにとどめている

のだろうか?

 

(半世紀以上の昔、私のときは近現代史は、間にあわず省略された。

 

学校教育では省略され、詳しい事実が教えられなくとも近現代に戦争をしたという

事実は変わらない。 

もちろん戦争だけが声高に叫ばれなければならないわけではないが、正確に

わからないほどの膨大な数の人々が死んだ戦争は、その悲惨さと同時に、現代では

人類の存続に関わることだから、これからも人類を続けようとするならば、

子々孫々へと語り継がれていかなければならない。

 

人間は、思っているほど賢い存在ではないことを、歳とってから痛感する。

 

そう思うとき、親《義父母をふくめてもう死んでいない》から戦争体験は、

あまりに悲惨で記憶から消してしまいたいものだったのだろう、断片的に

ちょっとだけしか聞いたことがないが、

唯一さいごの直接戦争体験者である親の子どもとして、

次の世代へ戦争のようなバカ《そういうバカはあり得ないというなら、

なぜ「軍隊」がある?他への「威嚇」「脅し」だろうか。

それならヤクザ、チンピラと本質的に変わらない》を絶対してはならないと

言いつづけるしかない)

 

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満洲

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 日本が中国大陸の東北部を侵略し、植民地にした

ところにつくった傀儡政権を満洲国という。

 その「満洲」を含め、満洲に関する言葉(たとえば、

敗戦で満洲国はなくなったから、そこから日本に帰還する「引き揚げ」など)

若い方たちは(学校で教えられない限り)知らないかも

しれないが、満洲に渡った人たちの子どもが今は

老人である。

 私の義父母も満洲に渡った。過酷な引き揚げ中に

子どもを亡くした。

 

(現地の軍部、兵隊に守られなかった民間のふつうの人びと。

言葉に言いつくせぬほどの辛い記憶だから、義父母が満洲でのことを語ったことは

ない。

満洲のことではないが》少し無理やり父に従軍中のことを聞いたとき、明らかに

感情を昂らせた。父はシベリア抑留を体験した)

 

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満洲暴走 隠された構造』という本を読んだ。

著者は安富歩さんという。

(愛読している「天天日記」の中国好きの松っちゃんより教えていただきました)

 

mm3493.hatenablog.com

 (ブログがとてもわかりやすいのでぜひお読みください)

 

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 私が強く感じた二つのこと

① 平頂山事件

【引用】

「立場」が暴走し村ごと皆殺しにした平頂山事件‐

戦争というものは基本的に人間が人間らしさを失う、つまり暴走するものです。

しかし「立場」という視点で見れば、その暴走が現在の私たちでも理解できる

ケースもあります。…

公害や薬害、原発など企業や官僚・政治家の不祥事。戦前・戦中・戦後を通じて、

この「立場主義者」のメンタリティとその暴走の様子は、まったく変わっていない

のです。

 

(一人ひとりは常識的なふつうの人間で、ふだんは猫犬一ぴき殺せなくても、

戦争という異常な事態、環境は多くの人を狂わせ暴走させる。

→ 集団殺人というような、ふだんなら起こりようのない極めつけの悲惨な事件が

起きてしまう《「起こす」というより「起きてしまう」と表現したほうがよい》。

本にも書かれているのですが、平頂山事件のことはネットで簡単に検索できるので

ぜひみてください)

 

 狂い、暴走しないために、次の態度・姿勢がとても

だいじと思った。

◆ 命令されても、自分の心の奥底から湧きおこる

感情にあう場合だけしたがう。

「立場」にこだわっておれば、人間としての自分の

奥底の声は聴こえない。

命令にしたがわなかったという理由で監獄にぶち込まれることは、いまの日本では

ないだろう。ましてや拷問も。

 

《拷問されれば私はダメである。情けないが、痛みには弱い》そんな自分の

情けなさ、ダメさが明らかになり、究極の自己嫌悪に陥らないためにも、

戦争で自分が死ぬか相手を殺すかのような究極の決断が求められる戦争。

 

そういう異常な状況を絶対つくりだしてはいけない)

 

◆ 考えるということをやめない。

 

② 本の最後のところ。

【引用】 

エピローグ‐あなたはあなたを取り戻す

人間はとても弱くて、ポカホンタスの物語のように、抑圧・被抑圧から無意識に

目を背けることができてしまうのです。

背けたことによって歪みが生じて、罪悪感が発生します。

その罪悪感が本来の感覚を押し潰し、どこに向かって何をしていいか

わからなくなり、暴走する

ここから逃れるには、「真実」に目を向けるほかありません。

(①、②とも太字は私がしました)

 

 

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                        ちりとてちん

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