② 新型コロナで、感染症と人類との深い関係にあらためて気づかされる
ことになった。
(本には「感染症」との関係が多くのべられていました。
はじめに三点だけ引用し、あとからは引用にこだわらず、それぞれ思ったことなど書きます)
(グーグル画像より)
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1⃣ 伝染病と家畜
【引用】
「人間の伝染病の大部分は家畜の病気に起源があります。…
(日本の古代人が致命的にかからなかったのは)家畜に頼らなかったせいでしょう。…」
(注:()、→、青太字はこちらでしました。以下の引用も同じ)
「鳥インフルエンザが…」「豚ウィルスが…」とニュースでよく報じられる。
(著者のひとり安田さんは別な本《『ミルクを飲まない文明』》で、家畜を飼わなかった縄文や
弥生時代にはみられなかった感染症が、飼うようになった古墳時代から急増した述べられていました)
新型コロナの発生源は武漢の洞くつのコウモリといわれているが人間に感染した。
家畜からの感染はながい苦難の歴史、前例があり、それなりの対策がすぐに
とられるけれど、(新型コロナのような)前例のないばあい、いくら医学や医療技術が
進んだ現代であっても、すぐにというわけにはいかない。
(食肉用家畜のある個体の異常死があればすぐ感染症の検査が行われ、感染がうたがわれば、
その個体の仲間は、当然のごとく、生きていても殺され、穴ほって埋められる。
いつまでこんなことやっているのだろう?
バチあたりを続けていて、そのうち🐓🐖🐂たちに祟られなければいいけれど…)
現代は、地球が温暖化すればいずれシベリアの(「永久」といわれていた)凍土がとけ
眠っていた細菌やウィルスが地表にあらわれ、新たなパンデミックが起きることも
ありうるといわれている。
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2⃣ 森林破壊
【引用】
「1万年前から進行していた(ヨーロッパの)森林破壊」
「ギリシア文明の頂点時は森の国だった」
「森があるからこそ鉄をつくり、鉄をつくったために森がなくなってしまった。
ローマ帝国時代の遺跡には、こんなにあるかと思うほど鉄精錬や冶金をしたと思われる遺跡がある」
「中世ペストの大流行は森林破壊と動物殺戮の報い…」
テレビなどで紹介されるヨーロッパ(と、ひと口にいってもいろいろあるけれど)は自然も
文化もたいせつにされる穏やかでおちついたところにみえる。
(遠い昔のことではあっても)「森林破壊と動物殺戮」が行われた土地だとはとうてい
想像できない。
しかし、そういう歴史が厳然としてあったことを、本を読むなかで強く感じた。
牧畜のためには広大な草地が必要。そのために森林を伐りひらき、人口の増加に
ともない家などの建築材として、それにとてつもなく有用で利用範囲のひろい鉄の
製造に不可欠な燃料としての木材(石炭・石油が利用されるようになったのはずっと後)を
供給するために、ヨーロッパの森林は壊滅的に失われたとのこと。
「森林破壊と動物殺戮の報い…」が「中世ペストの大流行」をひき起こしたことに
(それだけではないにせよ、根本的な原因だったことに)おおいに納得した。
(こういうことも学校では教わったことがない《いや、あるのに忘れただけかもしれない。
でも、忘れるような授業だったのだろう》)
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3⃣ 糞(ウンコ)
【引用】
「(ロンドン、パリなどの都市の大量の排泄物の及ぼす病気)
遺跡を見ても、人間は排泄物にだいぶ苦労したことがうかがえます。…
悪臭ただようロンドン…
→(日本は江戸時代に完璧なリサイクル社会を築いていた。西ヨーロッパでは)コレラやペストが
何回か繰り返し発生します。…」
時代劇で(旅番組などでも)よく便所のこと、排泄はどうしたんだろう?と思う。
(番組にはどうでもいいことだろうが、生きものレベルの行為としてどうでもいいこととは思えない)
ロンドン、パリの街路で紳士淑女がウンコを踏んづけることも稀ではなかったと
本ではいう。
ずうと昔の日本では、家畜を飼うとはいっても、それで食っていくほど
(牛は食うものではなく働いてもらうものだった)大規模なものではなかった。
だから、家畜の糞を肥やしに…とはいかず、おもな肥しは人糞だった。
江戸時代、日本では人のし尿が売り買いされていた。
江戸時代は、ヨーロッパなどより物質的には貧しくとも、自然と環境にやさしい
生活、暮しをしていたんだなぁと、あらためて見なおした。
(SDGs《持続可能な開発目標》にそった生きかたが江戸時代にはあったというテレビをみた。
棄てればゴミになるものを活かしたり、修理・修繕してながく使えるようにする○○屋さんという
具体的な雑多な商売を紹介し、リサイクルがちゃんと市場として成立していたという。
そういえば子どものころ、大きな磁石をヒモにつけ、川底をガラガラ引っぱったことがあった。
磁石であき缶をひろい、鉄くず屋さんに買ってもらい、小遣い銭をかせいだ)
本には、こういう物は貧しく不憫ともいえる生活から、物をたいせつにあつかう
「もったいない」精神や、万物のみなもとである自然、森や山、水などに神を感じ
崇拝するアニミズム的な心がますます養われたと述べられる。
「(西ヨーロッパのように人口密度が高くなると、ウィルスは空気感染するように凶暴化)
かつて北米大陸に進出していった古モンゴロイドたちは、非常に小さな集団でした…
その後、スぺイン人などさまざまなヨーロッパ人によって天然痘や麻疹がもたらされ、
新世界では、旧世界の病原菌による大殺戮が起きることになります。…」
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新型コロナが「禍」とよばれるほど酷いものになることを、1年前の早春には
予想もしなかった。
(尾木さんたち、医学の専門家はいずれパンデミックになるわいと心配されていたのでしょうか?)
そのころ、1980年代のテレビドラマ『夢千代日記』で有名になった夢千代さんが
いまでは地元の代名詞のような看板にもなっている山陰の「湯村温泉」に旅した。
すでに中国では騒がれておりインバウンドどころではなくなったらしく、
海外からの観光客はなかった。
見まわすかぎり日本人という、ずっと昔はそれがふつうという光景で、
ちょっぴり懐かしささえおぼえた。
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新型コロナにかぎらず感染症には(よくいわれるように)「正しく怖れる」。
だから「細心の注意をはらって生活する」。
それでも「罹ることがある」。まれにはウンわるく「死ぬこともある」。
もちろん、罹りたくも死にたくもないが、そうなったら「ウンがわるかった」
あきらめよう。