カメキチの目
私はツイッターなどをしたことがない。
原発事故でご自分の寺の三春町も大きな被害を受け、
そのようすをツイッターで発信されていたのを
読みたくて、ツイッターに登録した。
が、一度もすることなくそのままになっていた。
(ときどき、ツイッター社から「カメキチさん、ツイッターしてみませんか」との
メールがくる)
それから数年たち、やってみようかと思ったときは
「ツイッター=トランプ」という偏見・妄想が(今も)
抜きがたくしみついており、やろうとは思わない。
先日、そのツイッターの威力、影響力の大きさを
痛感することがあった。
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テレビニュースが速報で、アメリカ議会下院による
大統領弾劾決議(ウクライナ疑惑をめぐる権力乱用)を伝えた。
そのときのことだった。
トランプ大統領はおなじみの支持者集会で大勢の
人びとを前に、お得意の独断スピーチに身ぶり手ぶり
を交え、まるでマジックをかけるかのように、
自信たっぷりの態度で「弾劾決議、クソくらえ!」
とでもいいたげに、決議がなされ本来は「窮地」と
思われる事態なのに、それを逆手にとり(すでに1年を
切った)次期大統領選の人気集めにしようとしていた。
(まるで中身のない空疎なスピーチを、トランプの背後から彼と同じ向きで
熱烈な拍手を送る人たち《支持者集会なのであたり前か》。
聴衆者のみなさんにとって、スピーチの中身など関係ない、どうでもいいのだろう
「偉大なアメリカ」をとり戻そうとしている「偉大な大統領」。
その「偉大な大統領」を支持している一人ひとりの「私」)
次にトランプ支持者のある一人へのインタビュー
場面に変わった。
そして、その人の発言に私は驚いた。
彼はおよそこんなことを言ったのである。
↓
「私は新聞・テレビなどを通してトランプ大統領の
言葉を聞いているのではありません。
彼は直接、(ツイッターで)私たち一人ひとりに訴え、
話しかけているのです」
(「驚いた」のは私がツイッターをしていないからだった。トランプの
フォロワーになっていないからだった。
snsは既成の大メディアを通すことなく、私たち一人ひとりに直接
呼びかけるのだった。
あらためて深くうなずいた。
「情報革命」とふつうに言ったときは、図書館などに足を運んで調べなくても
インターネットで素早く詳しい情報が手に入るということとEメールという素早い
情報交換しか頭に浮かばなかった自分がバカだった)
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トランプは頭がいい。
日本では、いくら知恵があろうとも、「悪知恵」
というのは、好ましいこととは受けとめられないが、
「悪知恵」も知恵のうち。
(そのことにも、あらためて深くうなずいた。オレオレ詐欺の多様な「進化」には
舌をまく)
トランプは類まれな人を騙す、欺くという能力の
天才なのだろう。
(「欺く」といえば「他に目をそらす」というのも含まれる。
イランとのことも、ひょっとして弾劾決議の窮地から国民の目をそらそうとして
のことか?
大統領のイスにしがみつくという権力欲のために、軍に命じて人を殺す《金正恩と
よく似ている)
彼がアメリカ大統領になったことに、いまだに
大統領を続けていることに、さらに次もやろうとし、
それがあり得ることに、「なんで?」とずっと頭を
謎を解くための欠かせぬ鍵だと思った。
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溢れかえる情報。
自分で選べるとはいっても、追っつかない。
あり過ぎる。
何をどうやって選ぶ? どれにしよう?
いちばん多くの人の目についただろうから、
いちばんに表示されたサイトにするか。
「ど・れ・に・し・よ・う・か? プッとこいて
プッ、プッ、プッ…」でいくか。
それはほんとうに欲しい情報なのか?
事実にもとづく正しい情報なのか?
「なんのため?」に自分はこの情報を選ぶのか。