カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2024.5.17 『人類学者…が森に入って考えたこと』④

人間、自分、生きるということ、世の中のことについて、子どもから大人へ

成長するなかで、誰でもそれなりに思い、考える。

そういうときだけ「哲学者」になる。

 

私もそうだったけど、それは自分の知っている世界の中だけの井の中の蛙

だったことを、仕事をやめ、自由に読書できるようになった今、「人類学」を

知ってつくづく思う

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同じ地球人でありながら、たまたま生まれたところが「先進文明」からは

遥かに離れた、「進歩」とは無縁、昔ながらの生活、暮らしを(それ以外はあり得ない

かのように)続けているラオスのムラブリやインドネシアブナンの人々。

 

そんな人々と現地での生活、暮らしをともにすることによって感じ、思い、

考えさせるものをていねいに学び、それらから逆に、現代日本など先進文明社会に

生きている私たちの生、生き方を反射し、照らし、炙りだす。

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「人類学」という方法で、「生きるとは何ぞや?」という素朴で根源的な問いを、

そういう関係の本を読んで学ぶことのおもしろさを知った

(いまの記事は前の記事、「ブルトシップ・ジョブ」の話にもつながる。

日本人もなろうと思えば、ブナンやムラブリの人たち、《GDPではなく》GNHという国民総幸福量

世界一といわれるブータンの人々のように幸福になれるはず) 

 

   


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(便宜的に①~③としました)

 

「① ムラブリには専門家がいないんです。

スペシャリストを目指さず、誰でもジェネラリストになっていく。

→ 「できない」のではなく「しない」

→ 権力の集中を防いでいる

この人だけできるとか、自分しかできないことをつくらない…

そもそも、分業(は「この人だけできる」こと)しないのを非効率だと考える前提には、

商取引がありませんか。大量につくって、たくさん売れば、より利益が出る。…

けれど、ムラブリには元々がバッグ(森に入って木のつるを採ってきて編んで作る)

売るためにつくるのではなくて、自分が使うためにつくるというのが基本でした。

→ 自分の生に関わる部分は分業にしないという態度

そもそも「つくる」という行為は…モノと向き合ってそのモノと対話することを通じて

自分自身で習得していく

 

② プナンを見ていると、フェミニズムにおける議論は行き過ぎの面があるように思えることが

あります。…ジェンダーや分業に関して、考えているふしがないようです。…

(手の空いている人なら)そもそも誰がやってもいいわけです。…

(その際)誰もやり方に正解があるとも思っていない。それぞれのやり方があるし、

誰が何をやってもいい。男女差の傾向が出るのはジェンダーが感じられるのは)近くにいる人が

そうだという程度のこと…

 

③ モノと人の関係、あり方

(たとえば薪割りにおいて)節を避けて他のところを割ろうとすることは、薪からすれば

「(人に)割らさせている」(という受動的な、客体側になっているけれど、逆に考えると)

→ 薪のようなものも「主体」なんだという考え方は学習(「応答」)を考える上

モノからの応答によって学ばされるという経験(職人的なもの)がないから、

モノから学ぼうという感性がない。

効率とか生産性とか、そういう文脈で人が語られていることは最近のことでしょう。

→ バッグなんていっぱい要らない

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最も強く感じたことは、①の「できない」のではなく「しない」」ということ。

とても重要な考えだと思う。

 

たとえば(これはもう後戻りできない)「原子力」、「デザイナーベビー」(とその類)

(日本は原子爆弾を作る力を持ってはいても、あえて作らない。

 

   



先日、視覚障害者が自分の身体の前にかざすだけで障害物の存在、信号も赤か緑を感知し、

それらをみんな音声に変換して報せてくれるというスマホアプリを《AI技術を駆使して》開発

実用化したというニューストピックをテレビで見た。

もちろん白状を突くのが中心でも、補助以上の働きを果たすアプリはどんなにありがたいことか。

《そのスマホを使っている視覚障害者はとても喜んでおられた》

 

ただし、このアプリは限られた地域を対象に開発されたものだから「特定地域限定」だ。

その地域、街の様子は変化するので、「グーグルマップ」みたいに更新しなければならない。

《しかし日常的な生活、暮らしで移動する範囲はほぼ限定されるので歩行するだけの目的では十分》

 

テレビを見ながら、こういうAIの使われ方はすばらしい、地域を越え、日本全国使えればいい。

そしてこういうすばらしい研究開発し、アプリを作る会社を国は支援してほしい。

こういうことは、「「できない」のではな」いのであれば、してほしい。

 

 

 

 

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                       ちりとてちん

やわらかき ちから先まで 藤の房  古賀まり子

 

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