カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2024.8.23 おもしろかった、暑かった旅②

 (初日の続き)

外はカンカン照り。

だけど、昼食に唐揚げ定食、カレーを食べたら、フロントに荷を預け外に出た。

(フラフラしても、まだ「夏ノ暑サニモ負ケヌ丈夫ナカラダ」を持っているとは信じ、

部屋に入れる3時までの2時間余、近くの散策《自然や街の観察》を楽しむのだ)

 

陽射しを受けるだけで、玉のような汗が噴き出す。

 

けれど、散策は(絶対に痩せ我慢でなく)おもしろかった。

(そうはいってもやっぱりカンカン日照りの中を歩いたので、楽《ラク》した思いはない。

で、「楽しんだ」というより「おもしろかった」という感覚

ーーーーー

ところで、旅の計画はいつもツレがしてくれる。

(もちろん私の希望を聞いてくれるが、行き先も、日程・スケジュールも、日帰り宿泊を問わず

細かくホームページを調べるなどし、目ぼしい観光情報も載せた旅パンフレットを作ってくれる。

《作ったばかりの旅パンフレットを私に渡すとき言う。「こんどの旅、私はもう行った気分」と)

 

(「火の谷温泉 美杉リゾート・ホテルアネックス」。

もう一つの「榊原温泉」は数年前に来たことあるが、火の谷温泉は初めてで、榊原の近くをネットで

調べていて見つけてくれたのだった。

泊まりの旅の計画するに当たっての基準は、こっちは庶民だから一番は宿泊料金。

二番は宿の周囲をのんびりゆっくり歩いて自然を楽しめること。

最後に、もちろん温泉があること)

ーーーーー

ホテルの玄関を出ると、「森林セラピー」という遊歩道があり、喜んで歩いた。

でも、10分も進まないうちに喜びは終わり、「ウ~ン…」と唸ることになった。

 

      

 

というのは、森林セラピー ロードはそのエリア内でネットのように結ばれており

幾本もあり、私たちは広いのを選ばず、短い距離とはいえ、道幅が狭く、

草茫々のワイルドな小道を選び、難渋した。

      

      

 

(《夏だから草の成長は早く、それは仕方ないとはいえ》リゾートが草茫々を見逃し、

放ったらかしとは…

後で休憩したとき気づいたら、このときに靴や靴下の足首部分にはくっつき虫《イノコヅチなど》が

いっぱいついたらしい。取るのがたいへんで、とんだ「セラピー」になった。

《まあ考えれば、さわやかな季節以外、セラピーを期待するほうがおかしいか…》

 

      

 

      

 

「美杉リゾート」というのは、「ホテルアネックス」という宿を基点というか中心に、総合的な

レジャー産業を展開している美杉町の企業なのだろう。

その企業が元気なとき「森林セラピー」ロードは作られたけど、いまは利用者が減っただけではなく

田舎は人口そのものが減り、もちろん企業の従業員も減り、ロードの手入れも出来なくなったのだ)

 

森林セラピー ロードの広いほうは車も通れる幅がある。

草茫々に懲りたのでそっちを進むと、コテージが数棟あった。

(その日は平日のためか利用客はいなかった)

そこを過ぎると、ちょっと楽しみにしていた(お目当ての)「ビール工場」と

「パン工房」に着いた。

ところが…

 

ガーン!!! やっていないではないか!

(愕然とし、汗がどっと増えた。

一時的なものではなく廃業した感じ。営業するには客が少な過ぎるのだろう。

「ホームページを見た者を騙すなよ!」との思いが溢れ、腹が立ったけれど、怒る元気はなかった。

汗びっしょりなので怒りは沈んだ《後でホテルに戻ったとき聞いたら、フロントにいた若い女性が

「ああ、そうですね」と他人事のような言葉が返ってきたけど、暑さに参っていたのと、その女性の

すまなそうな顔に負け、「まっ、いいか」と諦めた)

ーーーーー

森林セラピーの効果は暑さのせいでまったくないまま、山(林)から下り、

次は麓の平地(谷)の道路に沿って街を歩いた。

 

      

 

街といっても、家並みは疎らで(かと思えば、上の写真のような大きな建物が建っていた

小さな田んぼや畑が多い。

道路は川《「雲出川」》に沿っているところが多く、よく流れを覗いた。

 

風景はホントいい。私にとって風景を楽しむというのは、あるいい景色を観賞するというのではなく、

目に見えるものから自分で「いいなあ」と感じるものを見つけるというようなこと。

目につくもの《つかなければ探す》何でも目を凝らす。

 

が、それにしても暑い!)

 

      

 

「美杉リゾート」は美杉町の看板企業で、町もこぞって応援していたのであろう。

道路沿いにはそれなりに大きな観光ホテルが廃墟然として残っていた。

(こんな田舎では大きな建物を取り壊し更地にしても、新たな土地の活用方法が見つからない限り

意味がなく、解体費用が無駄になるとの目算だろう。

街のシャッター通り」と変わらない)

 

      

      (これは美杉リゾートのホテル。さっきの写真の大きな建物はホテルでは

       なかったけれど、同じく廃墟だった)

 

明日、乗車予定の「JR東海 名松線」の「伊勢八知」駅を見つけて確認、安心。

(安心しても汗は出た)

 

      

 

そろそろ3時になるので、少し高いところにあるホテルまでガンバって歩く。

 

      

      

ーーーーー

ホテルアネックスの宿泊部屋は(6階建ての)5階だから眺望はよく、

街の概観がよくわかり、さっき歩いたところが望まれた。

(プールが見えた。「プールがあったんだ!」という思いが湧いた。

夏休みには、先に見たコテージもプールも賑わってほしいものだ)

 

      

 

      

 

汗をいっぱいかいているので身体を何度もタオルで拭ったけど、(拭き切れず)

着替えた浴衣が肌にくっついたまま念願の美杉温泉「神去(かむさり)の湯」に。

 

神去(かむさり)の湯。

炭酸水素塩泉で、湯は肌にまといつくみたいな感じ。

(泉質そのものには他に特に感じるものはなかったのだけど、ビックリ驚いた!ことがあった。

というのは)

いくつかあった湯船のうち、檜風呂だけ、湯に浸かった部分の木のヌルヌル感が

すごかったこと。

(まるで石鹸が湯に浸かった部分《底板や側面》の檜に塗ってある感じだった。

いろいろな温泉に浸かったことあるけど、こんなのは初めてで、ホント不思議だった。

帰ってからパソコンで調べたけれどわからなかった。

こんなすばらしい不思議が何でHPで宣伝されていないのか、そっちも不思議になった)

 

「ビール風呂」というのがあったけれど、別に入りたいとは思わなかった。

飲ませてくれるのなら別

せっかくあるのだから、話のタネになるので入ってみようと思い、そのビール樽のような形の浴槽に

近づきよく見たら、「入浴不可」と小さな札があった。

昼間のあのビール工場から想像するに、かってはそこから供給されていたのだろうが、

現在はそっちが廃業していたからこっちもダメだったわけ

ーーーーー

夕食。

 

バイキング。

(宿泊客は数えるほどしかいなく、これでバイキングが成り立つのかな?と、しなくてもいい心配を

したくなったが、どこからか人《ジャージ姿の若者の姿が目立った》が三々五々現れ、

バイキング形式は成り立った。

昼間の散策で目にした「知る人ぞ知る火の谷温泉」の看板どおり、まさしく「知る人ぞ知る」だった。

その「知る人」にどこかの大学も入っているんだろうか、ジャージ姿の若者は部活合宿?)

 

バイキング料理は最高!だった。

 

(バイキングだからいろいろなものが用意されており、私たちには初めてのものもあった。

しかし、料理の種類の豊富さからいえば普通だ。「最高!」と感じたのは、

他の宿でも出るスタンダード的な料理ひとつにしても、丁寧に、しっかりと調理されていた。

その上に一工夫さているのだ。

《料理にド素人の私でもわかった。

翌朝のバイキングに卵焼きがあった。私は取らなかったが、「こんな卵焼き、初めて。美味しい!」

とツレが言い、食べてみいと言うので食べたらホント、美味しかった。

ここでは働いている人たちに東南アジアの方が多くおられるようで、コックさんもそうなんだろう。

卵焼きを日本人向けに工夫されたか、そのままかはわからないけど、そのコックさんの母国での

卵焼きだったのでは…と思った。このことも忘れられない思い出となった》

最後のデザートさえ、種類は少なくどこでも出てくるようなものだけど、凝った工夫がされていた。

 

部屋に用意されている「お客さまアンケート」《これまでほとんど書いたことないが》を書いた。

ミミズが這ったような字でも「これまで泊まった宿の食事の中でいちばんでした。ありがとう

ございました」と伝えたかった

 

 

 

                       f:id:kame710:20171029114701j:plain

                          ちりとてちん

某日や 風が廻せる 扇風機  正木浩一

<