カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020.5.15 『私の生きた証は…』①  

        カメキチの目 

 

 

私の生きた証はどこにあるのか(大人のための人生論)

という本を読んだ。

(老いた「迷える羊」《可愛さは全然ない》の私は、いっぺんにこの本の題名に

惹かれたのでありました)

著者はH.S.クシュナー というユダヤ教のラビ(牧師のような職)で、

旧約聖書の「コヘレトの言葉」を読みとくかたちで人生の意味を見つける

というもの。

 

とても胸に響いたところがあります。

(きょうはその一つを紹介)

 

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 年輪と共に知り得る不合理の世界

 

 後半部分、6章「愚者の歩みは闇に」より。

 

【引用】

人間の理性の限界を尊重することと、理性の入り込めない現実の広大な闇の領域に

対して畏敬の念を持つこと

 

年輪と共に知り得る不合理の世界

二十歳ではわからず、五十歳になってわかることのほとんどは

伝達できないものである。… 

 

二十歳ではわからず五十歳でわかることとは、

お定まりの知識や決まり切った言葉ではない。

 

言葉によって得られたのではなく、じかに触れたこと、目にしたこと、

耳で聞いたこと、勝利したこと、失敗したこと、眠れなかったこと、

全力投球したこと、愛したことといった、

この世界と自分自身、他の人々についての人間の経験と感情によって得られた、

人々、場所、行動に関する知識である。…

 

おそらく、そこにはあまりにもささやかで目では見ることのできない信仰や、

畏敬の念も含まれる。…

 

(注:赤字はこちらでしました) 

 

「ふと気がついたら…」という表現があるけれど、

それを何度もなんどもくり返し、「30になっていた」

「40に…」「50に…」「60に…」「70に…」

(私は7〇くらいが寿命と思っているので、80、90は人生計画にありません)

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 いつの間にか年寄り(といわれる年齢)になっていた。

 子どもや青年であったとき、永遠に自分は若いまま

だという厚かましい考えはなかったけれど、シワと

ホウレーセンだらけの自分の顔は想像したこともない

目の前のことに忙しく、想像するヒマ(想像する余裕)などなかった。

 

 老いたいま、上の引用で述べられていることを

しみじみ感じる。

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(老いてきたから言うのか、そう言うようになったから老いてきたのかわからない

けれど)「この歳にならないとよくわからないことが

いっぱいあるなぁ…」と、口ぐせのように呟くように

なった。

 

 歳を重ねるとともに確かに、「人生の不合理」を

感じるけれど「不合理なのが人生よ…」と居なおる、

(というか)あきらめる(「諦める」のじゃなくて「明らめる」)

(というか)達観する・悟る。

言葉によって得られたのではなく、じかに触れたこと、目にしたこと、

耳で聞いたこと、勝利したこと、失敗したこと、眠れなかったこと、

全力投球したこと、愛したことといった

など自分の個人的経験、体験のほとんどは言葉によって

得られたのではな」いので不合理で、他人には伝達できない」。

 

 しかし、不合理であっても、自分だけの、

一度かぎりの、代えの利かない貴重なもの。

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 仏教に深くうなずいても、私はちっとも真面目で

敬虔な信者ではない。

 しかし、ほかの宗教を含め「信仰」や「畏敬の念」

という「不合理(より大きな文脈からみれば「合理」かもしれない)

の世界」にとても親しみを覚える

 

人間を人類とか社会、「集団」としてみると、こんなに便利で快適な世になっても

個人の努力ではかなわないさまざまな格差の存在に「不合理だなぁ…」とため息を

ついているけれど、一人ひとりの人生は(終わってみれば)「運命」としか

いえない「不合理」を感じる。

でもそれは、「不合理」と呼ぶべきものではなく「重み」のような気がするのだ。

 

きゃりー…さんや小泉今日子さん、井浦新さん、西郷輝彦さん…芸能人たちも

(仕事のことで黙っているのがいちばんなのでしょうに)黙ってはおられないと

こんどの検察庁法の改正案に声をあげた(「安保法案」のときは政治的な臭いが

強かったので、迷いもあったのだろう)。

こともあろうに、私利私欲のために国民を欺くという大罪を犯したきたことが

司法の場に引きだされたら不味い(安倍の大嫌いな韓国では大統領を辞めさせる

ほどきちんと三権分立が機能しているというのに)ので、その前に裁判沙汰に

ならぬよう検察トップを黒川にすればいいという。

安倍晋三なる人物に怒りでブルブル震えてくる…。

 

〈オマケ〉

「安倍(麻生)が…」「トランプが…」と私がカッカしているとき、「そのうち、

あの人たちも亡くなるんだから…」次いで「熱くなっていては食べているものの

味もわからなくなる」とツレになだめられる。

「そういう問題じゃないのだが…」と心でつぶやきながら、「あの人たちには

キンピラゴボウの美味さはわからないだろう」と毒づく。

《オマケのオマケ》この前、そのキンピラゴボウを食べていたら(ウチのには

ピーマンが具材として入っている)ピーマンの味がわかるようになったら大人に

なったといえるのかな?、とヘンなことを思った。

 

 

 

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                             ちりとてちん

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