カメキチの目
また、旅をした。
ずっと前から行きたかった国東半島。
ついでに杖立温泉というところ。
国東半島は、奈良・京都とは趣のことなった仏教文化の花開いた地。
そこの空気を吸いたかった。さまざまな石造の仏さんをみたかった。
が、「熊野の磨崖仏」(大日如来と不動明王)の二体だけでした。残念…
公共交通機関は適当なのがなく、しかたなくツァーバスになりました。これは他のお客さんのスピードについていかなければならず、私のような障害者にはたいへんで、今までも2,3回くらいしか利用したことがないのです(安くてサービス満点。いいところはいっぱいあるのですが)。
石仏。いっぱいみたいなら、臼杵まで行けばよかったけれど、JR(乗車賃の大幅割引という特典はありがたいのですが、いろいろ制約があります)と駅からのバスしか移動手段のないこっちには、ムリだった。
「ついでに杖立温泉」と書いたが、正確には「ついで」が国東で、杖立が「主」の旅だった。
身体が心に勝ったのだ。
仏さまには申しわけありませんでしたが、(信仰が足りない私には)湯でゆっくりのんびりがいいのです。
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旅はすばらしかった。心に残った、おもしろかったエピソード三つを書きます。
エピソード①
ブログの読者さん
すべての読者のみなさん(お会いしたことなくても)のお姿、息吹がパソコンの向こうから伝わる。
まことに勝手ながら、自分なりにふくらんだイメージ像がある。
この5月下旬は北海道の旅。東・北へ向かった。
そのときは岐阜県、静岡県、小田原、横浜、東京、福島、仙台、岩手、そして北海道は札幌のほうの方々を、「〇〇さん。ここにお住まいなんだなあ」お一人ひとり、
その地を通過するたびに想った。
いい加減な私はどこに住んでおられるとか年齢などあまり気にならないが、いい加減でも知った限りは気になる。
こんどは西・南。
大阪、岡山、福山、福岡、大分県、熊本県の方々のことを心に浮かべた。
思えばネット世界、いまの場合は「ブログ」という世界ですが、ほんとにフシギです。おもしろいです。
一瞬にして「情報」を伝えられ、同時に送る側と受け手とがやり取り(コミュニケーション)できる。
ここまでなら、これまでもあったのでしょうが、専門家だけでなく一般人でもそれができるようになり、その輪(つながり)を自分たちでつくり出すこと。まさに革命的!
ところで旅の出発前々日、私にとってブログを続けるきっかけを与えてくださった方が大阪マラソンに参加されるということで、前々から実際に走っておられる姿を見て応援したいと願っていたら、(ところで私は「応援」を簡単に考えていた。それが大阪マラソンのような大きな規模でどれほどむずかしいことかを想ったこともなかった)お会いするだけとなったが実現した。その方、ごいさんは想っていたとおりのとってもステキな人だった(ますます私は人をみる目に自信を深めた)。ごいさん、ありがとうございました。
日本は広いな。だが、世界はもっともっと広い。
トロント、モルドバ(その方《前はベトナム》が行かれるまで知りませんでした)、アルゼンチン、イギリス在住の方ともやっています。
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エピソード②
国東半島バスツァー
なんと定刻になってもバスガイド嬢が来ない。
お客さんはけっこういたけれど、誰ひとり文句は言わない(もちろんこちらも言わない)。
しばらく待ってもガイドさんは現れなかった。なのに、バスは出発した。
オイ、オイ… いいのか…(まっ、客が心配することじゃないが…)
途中とまったお客さん待合い場所で、バス会社のロゴ入り赤いジャンパー姿の案内係の中年の女性が乗りこんできて、マイクを握られスピーチを始められた。まさか…
まさかは当たった。
スピーチ内容は?
会社の手違いの非を詫びるとともに、急きょ、本日の勤務形態「案内係」から「ガイド嬢」(でも、「お嬢」ではありませんと告白されていました)に変身することになったとおっしゃった。
ガイドを〇〇年続けていて、「本来はスカート姿をピシッときめているのに、ジャンパー姿でガイドするのは初めてです」と明るく挨拶され、お客のみなさんから温かい拍手を受けられた。
バス会社名には「大分」とつき、県内では一番か二番くらいの大手なんだろうが、くだんのガイドさんは明るく、イヤミのない女性で、ツァーの終わりまでお客さんを満足させておられた。
そんなことしゃべってもいいのかなあとこっちがいらん心配したが、本日は「21名とたいへん多くのお客さんにご利用いただいて…」が、日によっては4,5名。ときには1名ということもあるそうだ。
1名でもツァーするらしい。そんなに少ないとガイドさんもサービスの歌も唄う気が出ないらしい。
けっきょく唄わないとのこと。そりゃそうだろうなあと納得しました。
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エピソード③
外国人(韓国・台湾・中国からの人)
ここは、とにかく外国からの方が多い。
さすがは南。
ちなみに地図帳を広げると、それらの国々の近いことといったら一目瞭然。
そういえば勤めていたとき、10歳以上若い同僚が、「ときどき本場のキムチが食べたくなって、よく韓国に行くんですよ」と言っていた。
外国を、「海の彼方…」「遠いところ…」と思っている私は、ほんとに古いですね。
北海道でもよく会ったけれど、その比ではない。
顔や体つきがほとんど同じなので、大きなコロコロ(キャリィバッグ)を押しておられにところを見るだけではわからない。言葉を聞くまでわからない。
別府のビジネス・ホテルの温泉(さすが温泉地!)では、ドタドタと入ってきた女性たちが立ったままシャワーをする(私が見たわけではありません)、その跳ねがこっちにかかって閉口した、とツレがブゥーブゥ-言うことがあった。
日本とは入浴文化が違うのですね。
そういえば、アメリカなどは契約社会というし、「銃社会」でもあります。
大統領選挙特集で、悲惨な事件が連続しても銃の携帯が許される社会。小学生くらいのあどけない子どもが親から射撃訓練を受けているシーンには驚かされました。
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エピソードその他
・杖立温泉というのは阿蘇の北、ちょうど九州のどまん中。山の中。
地域のお年寄りのみなさんが午前中、通院や買い物などで(その辺の中心地日田市まで)出ての帰りらしい。
バスでいっしょになった。
みなさん。とってもなかよしだ。
ちょっと何かを言っては笑い転げておられた。先に降りられたお婆さんも、まだのお婆さんも、別れるときは手を振っておられた。
歳とった運転手さんも顔なじみらしい。乗り降りのお婆さんたちへの気づかいが、こちらにも心地よい。
運転手さんはそこはバスストップではないのに宿の前で降ろしてくださった。ありがとうございました。
・ビジネスホテルの風呂場でも露天があった。
が、手すりがなかった。
であるから、腰をおろして湯ぶねに浸かろうとした。
が、バランス乱した。頭から湯の中に沈んだ。
浴槽は浅く、溺れずにすんだ(膝小僧を擦りむいでちよっと出血しただけでよかった)。
じつに情けなかった(誰にも見られんでよかった)。