カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020.5.29 人生と「物語」

カメキチの目 ずっと前に『人はなぜ物語を求めるのか』 千野帽子 という本を読み、「物語」 (ストーリー)という言葉がしこりのように気になっていた。 これ限りの、1回かぎりの自分の人生。 私の「人生物語」という晴れ舞台の主役は、 この自分いがいはあ…

2020.5.26 なんでブログを?

カメキチの目 「アンタなんで ブログをやっているの?」 と聞かれたら、私はなんと答えよう。 ウ~ン…迷う。 迷いながらも続けている。 迷いながらも続けているのは、次にあげる三つの 理由からのような気がする。 一つ 迷いを打ち消すほどたっぷりとした時…

2020.5.22 『私の生きた証は…』②

カメキチの目 『私の生きた証はどこにあるのか(大人のための人生論)』から もう一つ、どうしても書いておきたいところがあります。 とても胸に響いてくる言葉、文章でした。 【引用】 論理の上では、人生とは意味のない偶然の出来事であると言えるかもしれ…

2020.5.19 定年退官予定の黒川検事長を検察トップに据える「検察庁法改正案」

カメキチの目 (国民の強い反対の声が上がり、今国会での「強行採決」はなくなりましたが、 きのう書いた記事を発信します) 「検察庁法改正案」とかけてヘタな「手品」と解く。 その心は、「よそに気をひきつけている間に…」。 (ちょっと苦しい、ヘタなな…

2020.5.15 『私の生きた証は…』①  

カメキチの目 『私の生きた証はどこにあるのか(大人のための人生論)』 という本を読んだ。 (老いた「迷える羊」《可愛さは全然ない》の私は、いっぺんにこの本の題名に 惹かれたのでありました) 著者はH.S.クシュナー というユダヤ教のラビ(牧師のよう…

2020.5.12 初夏の花 

カメキチの目 身体のためもあるけれど、天気がよいと 散歩したくなる。 散歩の目的は写真撮影も。そっちが主で、身体は従かもしれない。 そこらの畑や民家の庭先、道ばたや空地などの 植物に季節の移ろいを感じ、写す。 「いま・ここ」で写真撮影している自…

2020.5.8 仏像‐祈りと美  

カメキチの目 『仏像と日本人-宗教と美の近現代』 碧海寿広 という新書本を読んだ(仏像の解説書ではありません)。 硬そうな題名ですが、内容はまったくそんなことなかったです。 仏像は、われわれ日本人には飛鳥・奈良時代からの 長い歴史をとおして親し…

2020.5.5 「ソクラテス…」「困難と面倒」

カメキチの目 『ゆるく考える』から、きょうは、 ①「ソクラテスとポピュリズム」 ②「困難と面倒」。 著者、東浩紀という人は40代後半です。 この本の中のいろいろな話題を読むと、私の世代にはあまりなじみのない 「オタク」や「サブカル」といった文化の言…

2020.5.1 「考えてもしかたがないこと」と…

カメキチの目 『ゆるく考える』 東 浩紀 という本を、題名に惹かれて読んだ 著者は文芸雑誌に批評を頼まれて書いたり、好きで小説を書いたり、ご自分で (たぶん、「言論」をだいじにしようという思いで)「ゲンロン」という会社を つくってさまざまなおもし…

2020.4.28 レヴィナス

カメキチの目 内田樹さんはしばらく前までは大学の教師で、 世界(とくにフランス)の思想・哲学の専門家。 内田さんは、レヴィナスという哲学者を(学問の上だけで なく人生の)恩師として尊敬し、慕っておられる。 私は「レヴィナス」という名前自体が初耳…

2020.4.24 誰でもできるということ

カメキチの目 『内田樹による内田樹』。 2冊目のきょうは ■『先生は偉い』 誰だって教師になれる 初めに【引用】 教育が成立するのは、教壇の向こう側に立っているものが子どもたちに向かって 「あなたは自分がなぜ教育を受けなければならないのか、その理由…

2020.4.21 「正しさ」より「生きる」

カメキチの目 (注:タイトルを100%額面どおりには 受けとらないでください) 『内田樹による内田樹』。 この本は内田樹さんがかつて書いた本の中から自分で選んだものについて、 あらためて述べた本。 ここで取りあげたことが何度かありますが、数年前に内…

2020.4.17 桜

カメキチの目 桜はことしも咲いてくれた。 「くれた」と言いたくなるほど自然に合掌したくなる ことしの春は、コロナウイルス災禍で 人の世はたいへん。 それをよそに、黙って咲いた。 ちりとてちん

2020.4.14 「苦境の今こそ、人類の好機…」

カメキチの目 4月8日の「朝日デジタル」に、緊急事態宣言が出たこともあり、 「苦境の今こそ、人類の好機 大澤真幸さんが見つめる岐路」 という記事があった。 (大澤さんは社会学者。プロフィールの詳細はネットにあります) 私たち一人ひとりにとっての最…

2020.4.10 「いつもと変わらない…」

カメキチの目 コロナ感染に不安ないまは 「いつもと変わらない」というわけにはいかないが、 いや「いつもと変わっている」からこそ平穏無事だった日々を ありがたく感じる。 またコロナのようなバチが当たることのないよう、 これからの平々凡々な日々をた…

2020.4.7 「アイデンティティ」

カメキチの目 (日本でも東京圏など7都道府県だけだが、「緊急事態宣言」が出ることになった 新型コロナ。私も自分の身近なところでも聞くようになった。 外出が制限され、そのストレスが酷い場合は弱い立場の人に暴力や差別的な言動に なって現れやすい《朝…

2020.4.3 『脳には妙なクセ…』

カメキチの目 『脳には妙なクセがある』 池谷裕二 を読んだ。 著者は若い脳科学者。「能には妙なクセがある」ということで、その26のクセが わかりやすく述べられていた。 26のうち2個だけに触れて書きます。 科学・技術の目ざましい進歩によって脳の働き・ …

2020.3.31 「映像」と「動機」

カメキチの目 自殺ではないが、そのあとの『相棒』(スペシャル版)も とても考えさせることがあった。 ①映像・②動機と二つ書きます(物語の流れそのものは詳しくは触れません)。 ‐その前に‐ 「映像」というのは「技術」の一種で、一般的な「物」。特定の個…

2020.3.27 なかったことにする 

カメキチの目 「あった」こと(事実)を「なかった」こと(無)にする それが天に唾することだと、政府の面々はわかって いるのだろうか。 死んだ本人が「弱い」と彼らはせせら笑っている のだろう。 「勝てば官軍」という言葉は何と彼らには心地よいだろう…

2019.3.24 赤木俊夫さん

カメキチの目 ついにわかった。知った。 NHKはじつは当初から遺書の存在という事実をつかんでいたのに、 政府のお達しかNHK側の忖度か知らないけれど(どっちでもいい)、 明らかにするとあまりにエライことになる、衝撃が走ると、事実を隠蔽し、 局内全部に…

2020.3.20 独善的

カメキチの目 私は自分を独善的な人間だと思っている。 そのことは夫婦喧嘩によくあらわれている。 恥ずかしいが夫婦喧嘩が多い(かった)。客観的に多いのかどうかはわからない (ヨソさまのことは調べたことがない。ただ自分たちのそれが少なくないのは 確…

2020.3.17 宗教、信仰ということ②

カメキチの目 感想を六つ。 (とくに若松英輔さんの言葉に感じることが多かった) 【引用】 人間中心ではなく、見えないものへの多層的視座をもつこと 日ごろ私たちは世界の「表層」を生きています。 表層とは人間を中心に据えた側面という意味です。 人は表…

2020.3.13 宗教、信仰ということ①

カメキチの目 『宗教と資本主義・国家』 池上 彰 佐藤 優 松岡正剛 碧海寿広 若松英輔 を読み、「宗教」、「祈り」、「信心」などについて あらためて深く考えさせられた。 (一回では長くなりそうなので、二回に分けます。①のきょうは本じたいには 触れず、…

2020.3.6 切ない

カメキチの目 ふた月ほど前、長いあいだ気になっていた山陰の 日本海から少し山間に入ったところにある兵庫県の 湯村温泉に行った。 地理的にも近い城崎温泉が、志賀直哉の小説で 有名になったのに似ており、湯村は「夢千代」で 有名になった。 「夢千代」は…

2020.3.3 『不自由論』②

カメキチの目 ②「気短な人間」はやめよう 「気が短い」ことと「自由」にどういう関係があるのだろう?と思ったが、 読み終えて納得しました。 著者が本で問題にしているのは、権利としての「自由」だけでなく、感じや気分 としての「自由」もあります。 感じ…

2020.2.28 『不自由論』①

カメキチの目 「自由」「平等」「博愛」。 フランス革命の標語のようなことをよく言うが 深く考えたことはない。 深く考えなくても、これらの反対「不自由」「不平等」「偏愛」はイヤだ! 私はこれらの言葉の「安売り」屋みたい。 言葉のイメージ、気分や感情…

2020.2.25 早春の植物

カメキチの目 先日、植物園に行った。 そこはとても広い敷地で、野外にはいろいろな木や 草花がいっぱいある。 久しぶりに身体の中の自然、野生を解放した。 草花や木。どうしてこんなにいいのだろう! ちりとてちん

2020.2.21 業

カメキチの目 前に西行のことで、こう書いた。 (人間は)「花や月を愛でながらも殺戮する」。 その記事のBコメントの中に、敬愛している読者よんばばさんから(人間の) 「業の深さ」という言葉があった。 「業」は自分にとって10の気になる言葉の一つに入…

2020.2.18 『日本文化をよむ』 ⑤芭蕉

カメキチの目 ⑤ 芭蕉 はじめに引用を。 【引用】 1 西行から利休を貫くもの 芭蕉の「無常」 芭蕉が世の無常を強く意識した人であったことは、たとえば 「頓(やが)て死ぬ けしきは見えず 蝉の声」という『猿蓑』の句にも 見てとることができる。… 2 「わび…

2020.2.14 空がなかったら

カメキチの目 益田ミリさんの『しあわせしりとり』を読んだ。 この若い女性(といっても、わが娘よりちょっと上くらいだろうか) のエッセイはツレが好きだ。 彼女が図書館で借りたのにつれられ、これまでも 数冊読んだことがある。 著者のいまの生活、子ど…

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