カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

2020-01-01から1年間の記事一覧

2020.9.15 なりゆきを生きる

『なりゆきを生きる』 玄侑宗久 を読んだ。 著者、玄侑さんは福島県三春町(日本三大桜といわれる推定樹齢1000年の 「滝桜」のあるところ)の僧侶で、作家でもあり、これは東京新聞などに長く 連載されていたエッセイが本になったものです。 「なりゆき」は…

2020.9.11 脳は回復する

『脳は回復する‐高次脳機能障害からの脱出』鈴木大介著 という新書を読みました。 とてもよかった! 41歳という若い年齢で「脳梗塞」を体験した著者。 仕事は本を書いたり雑誌に寄稿する記者です。 苦痛・不快な症状を改善し、仕事に復帰できるまで「ほぼ99…

2020.9.8 分 Ι 断

人種差別の残酷さをこれほど強く感じさせた出来事は、 トランプが大統領になるまでは(覚えている限り)南アフリカのアパルトヘイト、 昔のアメリカ映画以外ほとんどなかった。 国民を「分断」する怖れはトランプが大統領に なった当初からいろいろなところ…

2020.9.4 人間として生まれ死ぬこと

長く生きているといろんなことを感じ、思い、 考える。 そういっても、自分ひとりの世界を生きてきただけ なので、一匹のアリと何ら変わらない(と思う)。 自分の世界しか知らない。 感じ、思い、考えるといっても、自分だけの世界の範囲にとどまる。 「自…

2020.9.1 そんなに「健康」になって、いったいどうするの

『つくられる病』 井上芳保 という本を読んだ。 題名から察せられるように、ちょっと怪しい症状も意図的に病気にしてしまう現代 「健康社会」の病理を問う。 (一般向けの新書ですが中身が濃く、考えさせられることが多かった) 読み始めてすぐ、「健康」…と…

2020.8.28 『若者よ、マルクスを読もう』

ビックリするような科学の発達で、次から次へと 生活を便利・快適にする技術が生まれ、商品として 出まわり溢れかえっている。 それらの多くは壊れにくく、土などには還りにくいので、溢れすぎ、いまや地球の あちこちで悪さをし問題を起こしている(廃プラ…

2020.8.25 随所に主と作れば 立処皆真なり

随所に主と作(な)れば 立処皆真なり (ずいしょにしゅとなれば りっしょみなしんなり) この禅語は3年前にも書いているので再登場。 (3年もたてば読んでくださる方も大幅に変わっているし、自分のこの言葉への 思いにも少しは変化があります) 意味どおり…

2020.8.21 『女性のいない民主主義』

sohujojo.hatenablog.com 愛読している爽風上々さんが紹介しておられた本を読んだ。 「女性のいない」+「民主主義」という題名がとても新鮮に聞こえた。 本の内容はすばらしい紹介にお任せし、私が強く思ったことだけ書きます。 ーーーーーーーーーー 「民主…

2020.8.18 直感

「直感」は前にも書いたことありますが、意味は辞書により微妙に異なり、 どうもみなしっくりきませんでした。 最近また直感を強く思うことがあったので、しつこくネットを調べたら 「なるほど!」というものにぶつかりました。 いわく、「第一印象」みたい…

2020.8.14 『それからの納棺夫日記』

『それからの納棺夫日記』 青木新門 著(2014年) という本を読んだ。 映画『おくりびと』(2008年)の原作(『納棺夫日記』1996年)の続編みたいな 書名ですが、『納棺夫日記』で著者がいちばん伝えたかった宗教の心が映画では 描かれなかったので、映画か…

2020.8.11 家族

「折々のことば」(朝日新聞)は、臨床という医学が 身近なところで(広い意味で)役立っているように、 哲学もそうあらねばとの願いをこめ、 「臨床哲学」を提唱される鷲田清一さんの 短い連載コラムだ。 ジャンルを問わずいろんなところで発見した(鷲田さ…

2020.8.7 『日常の中の禅』第3回(最後)

3回目の最後になって、やっと「坐禅」です。 著者は初めに禅の理屈をていねいに述べ、読者がしっかり納得したところで、 最後に実践としての「坐禅」という修行の話にもっていき閉じようとされた のではないかと思う。 (「自分」という存在が「坐禅」を通じ…

2020.8.4 梅雨の散歩道

こんなに長かったかな?と感じざるを得ないほどの 今年の梅雨だった。 ホント、長かった… はじめにオマケ写真(まだ梅雨に突入する前のもの) またオマケ(まだ陽光がバラをこんなに照らしてくれ、ちょっと写真家を気どった) (ここからは梅雨) 白い蝶が白…

2020.7.31 「戒律」→あえて死なないと決意する

(※ 初めにお断りします。本からの引用文はすべて青字ですが、 これまでの記事のように【引用】は書きません。 引用文のなかの一部には赤字や太字のところもあります。 赤字や太字であっても、引用文か私の文章かは お読みいただければわかるようにしました…

2020.7.24 「自分の根拠」・「縁起」 

『日常のなかの禅』という本を読みました。 著者の南直哉(じきさい)さんは下北半島にある恐山の住職代理をしておられる お坊さん、禅僧。 書名から、坐禅の効用を説くものかと思っていたら大間違いだった。 仏教は「無我」「無常」「縁」「空」…わかるよう…

2020.7.21 「ジャパニ」

カメキチの目 NHKBS-1スペシャル『ジャパニ~ネパール出稼ぎ村の子どもたち』という番組 を視た。 このドキュメンタリーはネットでたくさん紹介されていますが、 グーグル検索のはじめの方にあったのをコピペで引用します。 【引用】 改正入管法が施行され…

2020.7.17 黒塗り・黒潰し

カメキチの目 老人と呼ばれるにはちょっと早い年で事故に遭い、 障害者となったが、 その体験は「人生」に目ざめた 思春期のように重かった。 それからは、「生きていれば何でもある(起きる)」 と思うようになった。 たんたんと過ごす、きのうと同じような…

2020.7.14 豪雨災害

カメキチの目 常日頃、「災害」「防災」などにほとんど注意が向かない者の「たわ言」 (科学的事実の誤解ほかたくさんの誤りがあることでしょうが、かまわず) になりますが、こんどのような悲惨な自然災害が起きるたびに、やり切れなさ とともに、何で根本…

2020.7.10 野の花診療所

カメキチの目 ツレは徳永進さんの超大ファン。 徳永進さんという方は鳥取で「野の花診療所」という地域密着の診療所を 2001年に開設され、終末期医療に取りくんでおられるお医者さん。 こんな医師に看取ってもらえば幸せです。 (いや死んで幸せでもしかたな…

2020.7.6 「運命」は「必然」ではない

カメキチの目 録っておいたNHKBS1の 『欲望の資本主義』という番組をみた。 シリーズもので、私がみたのはシリーズ終わりのころで、マルクス・ガブリエルと いうドイツの若い哲学者が登場した。 (みてホントよかったです) よかったという印象ばかりで、「…

2020.7.3 「魂」・「死ぬ自覚」

カメキチの目 「神話」が発するメッセージを、現代社会の私たちが聴くことのたいせつさを 河合隼雄さんの本から書いたが、 河合さんは心理療法家として、傷ついた心を回復させるうえで、 ひとりの人間として日々つくられる自分だけの「物語」を語るたいせつ…

2020.6.30 「慣れ」・「最初の一撃」

カメキチの目 夕方、テレビ体操を日課としてやっている。 これまでいろいろな運動を試みたが、今はこれに落ちついている。 (入院していたときリハビリで教わった運動《それに飽き》、足首に重りを 撒きつけ脚を上下に動かす運動《それにも飽き》、階段歩き…

2020.6.26 人生-「体験」「賭け」

カメキチの目 「神話」のたいせつさを河合隼雄さんの本で初めて知り、もっと知りたくて 『「日本人」という病』を読んだ。 その一節がまたまた強く心に響いた。 人生における「体験」、「賭け」のたいせつさを書きます。 【引用】 答えのないことがたくさん…

2020.6.22 『苦海浄土』

カメキチの目 若いときからずっと気になったままだったが、 読もうとはしなかった本がある。 水俣病を描いた作品なので重く感じられ、40年以上 延ばしのばしにしてきた。 石牟礼道子さんの『苦海浄土』。 手元に置いておきたい本は買う(これはそういう本)…

2020.6.19 刑事ドラマ

カメキチの目 コロナ禍が起こるまでは、テレビ局が放映する刑事ドラマの最新作品をみていたが いまは再放送作品がほとんどです。 大勢の芸能人がしゃべって笑うバラエティー番組が花盛りだけどこれらも再放送? テレビも「新しい生活(しかた)」を求められ…

2020.6.16 初夏の花②

カメキチの目 よろけるし、視界は揺れ、気分は悪いということで 歩きたくないのが本音。 身体は歩きたがってはいないのだ。しかし「歩け」と心が言う。 続けて言う。「歩けなくなっても私しゃ知らん」 でも天気が好いと気分は明るくなり、外が誘う。 カメラ…

2020.6.12 生き方ヒント 神話②

カメキチの目 『神話の心理学 現代人の生き方のヒント』から。 きょうはその②。終わりです。 ①に続いてきょうのも強く考えさせられます。 【引用】 「自分を動かしているのは自分ではない」 つまり、(昔の)人々は自分の住む世界と調和した世界観のなかで生…

2020.6.9  生き方ヒント 神話①

カメキチの目 河合隼雄さんの本は強く考えさせられることがあまりに多い。 自分だけ知るのがもったいない。 (きょうも河合さんの「神話メッセンジャー」となります) 『神話の心理学 現代人の生き方のヒント』 二回連続のうちの①。 初めに長い引用文を載せ…

2020.6.5 『ナバホへの旅 たましいの風景』②

カメキチの目 『ナバホへの旅 たましいの風景』 河合隼雄 ・著の2回目。 コロナ後の世界があれこれ言われだしている今、 北アメリカ先住民族を訪ね「たましいの風景」に出あえた 河合隼雄さんの著作から学ぶものはとても大きい気がする。 【引用】 スチュア…

2020.6.1 人生

カメキチの目 人により形はいろいろでも、人生について考え思う ことは誰にもある。 思春期のそれは直球で、「悩む」という言い方がいちばん似あっている(当方も いちおう悩んだ。そのころ読んだ本はたった数冊だったが、一つにヘッセの 『車輪の下』もあっ…

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