カメキチの目

2006年7月10日が運命の分かれ道、障害者に、同時に胃ガンで胃全摘出、なおかつしぶとく生きています

本を読んで

2022.6.14 「中流」のごまかし-前-

はじめは①と②です。 ①〈まえがき〉 新型コロナ禍の直撃を受けたのは、まず非正規労働者、そして自営業者や個人事業主だった。 ここに新型コロナ感染症の「階級性」があらわれている。 … 一般に現代社会には、資本家階級と労働者階級という二大階級のほかに、…

2022.6.10 「中流」かぁ…

日本銀行のトップ、黒田総裁が、これぐらいだったら庶民は値上げしても たいして痛みを感じずガマンするだろうというような発言をし、 大きなヒンシュクを買っている。 あまりに明快でわかりやすいことを発言したことに、本人は後悔しているだろうが わかり…

2022.5.20 遊び、スポーツ

最後の③は「遊び」、「スポーツ」。 この本では、それらの原型も狩猟採集時代に遡れるという。 いま私たちが「遊び」、「スポーツ」といっているものの起源も狩猟採集生活に あるとのこと。 ニュースで「eスポーツ」というコンピュータゲームを知って (「グ…

2022.5.17 バイオフィリア

② バイオフィリア (ネットによると「バイオフィリアとは、「バイオ = 生命・生き物」と「フィリア = 愛好・趣味」を 組み合わせた造語…生物・あるいは生命のシステムに対する愛情) 日本語で簡単にいえば、「生きもの好き」ということ。 多かれ少なかれ、…

2022.5.13 ホモ・モビリタス

生きるということは「今・ここ」にいる自分を生きること。 なので、「今・ここ」をたいせつに生きなければならないのだ。 と、エラそうなことは言えるのは気もちが落ちついているときだけのこと。 ケンカで感情がたかぶっているとか心配事があるときなど、情…

2022.5.10 『歴史と人生』

お名前を知って以来、ずっと気になっていた方(いまは故人)がおられ 最近、その方の本を読んだ。 半藤一利さん。 『歴史と人生』という新書。 2018年出版なのでそれほど古くはなかった。 折々の重要な(結局は個人の人生に影を落とすけれど直接は目に見えに…

2022.5.6 スズメ…

今月10日からの1週間は愛鳥週間(バードウィーク)。 それに合わせたわけではないが野鳥(といっても身近な三つの鳥)、スズメ、ハト、 カラスについて書かれている本を、おもしろくて2冊も続けて読んだ。 『身近な鳥の生活図鑑』 三上 修・著 『スズメの少…

2022.5.3 在るものを愛すること

ただある(いる)こと、ただ存在する(している)ことの不思議や神秘を 感ずることは誰にもあるだろう。 私にもある。 静物画。 テーブルの器に盛られたリンゴを描いた静物画というのは、その絵のまん中は リンゴなので主役はリンゴかもしれないが、今ここに…

2022.4.29 〈人様〉という考え方は重要である

「歩いていたら道に何か落ちていた。何だろう? 財布のようだ。拾いあげたまでは自然な動作だったが、 次には反射的にあたりを見まわし、誰もいないのを確認し、財布の中を見た」 ネコババするか?警察に届けでるか? それとも、中の額によって決めるか? 拾…

2022.4.26 してはいけないことがある

昔に読んだ河合隼雄さんの本に、「なぜ援助交際はいけないか?」といえば それは理屈の問題ではないと、穏やかなこの方には珍しいくらいの厳しい言葉で 述べられていた。 殺人を犯した少年が、「どうして人を殺してはいけないの?」と言ったという。 (プー…

2022.4.22 新聞離れ

きょうは残り二つのことです。 (②と③) 初めに引用を。 ---------- 【引用】「②〈活字離れ〉 新聞には、巷の殺傷沙汰と国家間の争いや国会審議といった情報を、一望俯瞰できるという長所がある。 本や新聞を読まない時代の知は、検索的な知しか涵…

2022.4.19 『路地裏で考える…』

本を読んだりテレビを見ていたら、ある言葉や文章、セリフ、考え(方)に出あい 気になることがある。 それが刺激となって、膨らんでいくこともある。 (ときには膨らみ過ぎ、元の全体的な主題からはずれ、そっちを忘れることも起きる。 それどころか《読書…

2022.4.5 理性を越えたこころの世界 

戦争は国家が公的に認めた殺人。 国が認めようが認めまいが、殺人を行う個人、加害者の心は平和な国での人殺しと 何ら変わらない。 感情を麻痺させねば、自分の心を押し殺さなければ、とうてい人を殺すなんて 出来ない。 ブチャでの大虐殺、「感情麻痺」させ…

2022.4.1 『こころの人類学』

「弱肉強食」という論理。 人間も自然の存在だから、強い者が弱い者に勝つのは当然、弱い者は強い者に 従えばいい、という考え方がある。 (「強い」「弱い」は、「暴力」「権力」「金力」など「むき出しの力」をイメージさせる。 しかし、いまは何を「強」…

2022.3 3.29 「不知為不知、是知也」

(また「折々のことば」から) 孔子の言葉で、「不知為不知、是知也」という。 【引用】 「不知爲不知、是知也、 「知らざるを知らずと為(な)せ。是(こ)れ知るなり」。 孔子『論語』…から 自分はこういう世界、このような問題があることをこれまでずっと…

2022.3.25 戦争が一刻もはやくやむように

ウクライナのこと。 戦争がどうして起きるのか? 起きたらどうなるのか? ということが一目瞭然だ。 次の言葉に、一人ひとりが自分のこととして、政治を考えることのたいせつさを 痛感した。 【引用】 「理解すべきは、このシステムは悪人が悪意をもって動か…

2022.3.15 「なりゆき」と「すでに関係してしまった」

また森絵都さんの小説を読んだ。 『風に舞いあがるビニールシート』という短編集の文庫本で、 なかに『犬の散歩』という作品があり、日常にありそうな話で印象に残った。 ここで、人生における「なりゆき」と「すでに関係してしまった」ということを 強く思…

2022.3.8 善かれとしたことが…

最後のきょうは、 ④「善の懴悔」 (「懺悔」:キリスト教などでは「ザンゲ」と発音しますが仏教ではよく「サンゲ」といいます) ーーーーーーーーーーー ④「善の懴悔」 【引用】「善の懴悔 倫理や道徳の世界では廃悪衆善が目的となるが、…廃悪衆善の〈あと〉…

2022.3.4  だれも「悪人」として平等

きょうは②と③を書きます。 ② 自分自身の人間的成長のために (「代受苦」という言葉を知り、とても心に響いたのでこれも書きます) ③ 人はだれも「悪人」として平等 ーーーーーーーーーー ② 自分自身の人間的成長のために 【引用】 「業思想はあくまで主体的…

2022.2.22 風景をみなおす

旅は、非日常的な世界に身をひたすことで何かを感じさせてくれる。 (「絶景」もその中の一つ) 温泉に身体をひたし、湯を手ですくいながら思う。 地中ふかくしみ込んだ大昔の雨が火山や(火山がなくても)マグマに温められ、 地層に含まれているさまざまな…

2022.2.18 「風景」とは

目をつぶっているとき以外、絶えず「風景」(「景色」、「景観」、「光景」)は 目に映っているはずだ。 「風景を見る」というのは「息する」みたい。あえて意識してみなければ見えない。 「風景」は、普段、日常のなかではほとんど「背景」(「後景」)にな…

2022.2.15 「ホームステイ」

「ホームステイ」。 外国留学や、体験学習などの目的でふつうの家や民宿に短期間泊ることを 私はイメージする。 で、「自宅に閉じこもりましょう」といわないで「ホームステイしましょう」と コロナ禍でうるさいほど叫ばれたのには、ちょっと違和感を感じた…

2022.2.11 「偶然」と「神」 (後)

続き。 これで終わりです。 【引用】 ⑤「その目に見えない贈り手に(ヤーヴェと呼ぼうと、アラーと呼ぼうと、阿弥陀如来と呼ぼうと)、 底なしの善意を感じて生きる。 あちらからの一方的な善意(アガペー)を露疑わずに生きる。 そのとき、「安らぎ」がある…

2022.2.8 「偶然」と「神」 (中)

本には考えるところが多くあったのですが、絞りました。 絞っても八つあり、きょうは四つです。 【引用】 ①「現代社会は科学技術の発達と個人主義の蔓延により、 「人間は一人でも生きてゆける」という思想を流行らせている。 この大災害は、それが本当では…

2022.2.4 「偶然」と「神」 (前)

10年前、仙台の自宅にいて東日本大震災に遭った岩田靖夫さんという哲学の先生の 本を読みふかく考えさせられた。 岩田さんは10年前でも老人。 6年前に83歳で亡くなられている。 多くのことを勉強され、教えてこられたけれど、それらの業績をふくむ人生が 一…

2022.2.1 『ハーモニー』

『アイの物語』にとても刺激されたので、また人類社会の未来を考えさせるものを 探して読んだ。 ヒト型ロボットもクローン人間も登場しなかったけれど、ほんとうにスゴかった。 「スゴい」とは意味のうすい便利な言葉だけど、語彙のすくない私には他の表現が…

2022.1.28 「生まれてこないほうが良かったのか?」

真剣さ、深刻さがたりなかったのか、それとも「なんとかなるだろう」との楽天が まさっていたのか、私は「生まれてこないほうが良かったのか?」と悩んだことは なかった。 ましてや「死にたい」とも。 この歳になっても人生はわからない。 わからないから、…

2022.1.25 この生もまたあってよかった

生きるということは、ひとつ残らず「縁」だと思う。 (「偶然」「出あい」) この本と「縁」があったと思って読んだ。 いい縁だった。 『思想の落とし穴』 鶴見俊輔 (グーグル画像より)鶴見さんのお名前は、ずいぶんと昔から新聞や本で聞くことがあって、 …

2022.1.21 『アイの物語』(後)

最後です。 ----- ③「アイの物語」 【引用】 「「ヒトは気がついてしまったのよ。自分たちが地球の主人公にふさわしくないことに。 真の知性体じゃなかったことに。私たちTAIこそ、…真の知性体だったことに」 … 「真の知性体は罪のない一般市民の上に爆…

2022.1.18 『アイの物語』(中)

人は誰でも「いま現在、身のまわり」がいちばんだいじだが、未来の人間世界が わからなくても、想像はできる。 この本を読み、「現在の自分をだいじにする」ためにも(ときどき過去をふりかえり 反省するように)未来を想像してみることのたいせつさを改めて…

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