最後は、③山本周五郎の言葉と深沢七郎の『楢山節考』からの「老いの価値」 ということです。 ーーーーー 「(山本周五郎) こうした人生の見えざる真実を後からくる若い世代にしっかりと伝えられるのは、 やはり人生の先を歩んで修羅をくぐってきた老人なの…
今日は、②幸田文と田辺聖子の言葉です。 「(幸田文) 老人が軽いというのは、…「時間の扱い方が軽い」ということで、 「時間を軽く障りなく、淡々と扱っていく」ということである。… (それは「大事に扱わない」ということではなく)軽やかに扱うということ…
生きているから歳をとる。あたり前の事実。 その客観的な事実は自分にも当てはまり、たくさん年を重ねてきた。 しかし、その「事実」は私のアンテナに引っかかり、「意味」をもち「価値」にも なっている。 ともかく、私はジジイになった。 不思議な感覚だが…
いま住んでいる街は古い歴史のある土地だからか、歩いていると、しょっちゅう、 神仏に出あう。 私は自称「仏教者」だがいい加減な人間なので、いちいち神仏の区別はしない。 出あえばルーティンのごとく、みな(一方は杖を持っているから)片手で合掌してい…
最近の記事(『死ぬ意味と生きる意味』)に、 ある「事実」も、それが自分と関係をもたないならば(関係ないと思い、考えるなら) その「事実」は当事者(自分)にとって「意味」(価値)はない、との引用を述べた ある「事実」は、自分の「アンテナに引っか…
あっという間にひと月が経ち、もうじき二か月だ。 これだけの期間でもたしかに良くなった。 が、私はまだまだ良くなると、ひそかに思っている。 (別に「ひそかに」でなくてもよいのだが、本人は病気のことを気にしており、私が「気にしない」 「元気を出し…
②事前指示書(リビングウィル) 「事前指示書」も「リビングウィル」も、初めて知ったのは中年を過ぎてから。 (とても大事なことなので、もっと早く知りたかった。 生きておれば悲喜こもごも。突然、不幸や災難に見舞われることもある。 そんな深刻なこと、…
『死ぬ意味と生きる意味-難病の現場から見る終末医療と命のあり方』 浅見昇吾/編 「死ぬ意味と生きる意味」、年ごろになって一人前に私も思い考え、悩んだ。 これぞといった一つの答えは出なかった。 (一つには絞れないがヒントを含め、いろいろ出た気がし…
今日は「マトリックス」。 「マトリックス」とは、その物事の「基盤」、「母体」のこと。 この本での「マトリックス」のいわれかた、使われかたは次のとおり。 ーーーーー 「〈資本主義社会の「マトリックス」を超えて〉 学問の領域にも分業制が浸透していく…
『資本主義に出口はあるか』 荒谷大輔・著 私たちが生活している現代の日本は「資本主義」社会といわれている。 が、「社会主義」社会といわれる現代の中国も、旧ソ連だったロシアなども、 生きるための土台、経済は「資本主義」化、よく似てきた感じがする…
『はじめての哲学的思考』 苫野一徳・著という本を読んだ。 「哲学」的な考え方、発想については前にも同じような本を読んで記事を書いた ことある。 (→2月7日「そもそも」) それとはまた別な観点、書き方の本で、とてもおもしろかった。 私としては二つの…
医者にかかり、即、入院した。 (「入院した」というより、私には「入院してくれた」という言いかたの方がピンとくる。 ついに、こっちに折れてくれたという感じだった。 《唐突だけど》偶然とは恐ろしいものだと思う。 ①ずっと前に私は脳外傷、こんどはツレ…
妻籠宿への旅を無事おえて、「ほんとうによかったね」と言い合った。 (「合った」は半分ホント、半分はウソ。そう口にしたのは私だけでツレはうなずいただけ) 今年の桜はとても早く、三月の終わりなのに、しかも木曽は山ぶかい土地なのに 見事に開いていた…
3月の終わりにツレが脳梗塞(医者に言わせれば軽いとのこと)を起こした。 脳卒中はよく聞く。 別に(私の障害のようには)珍しくはないのだろうが、大慌てに慌てた。 (自分が健康であることが当り前、普通、平常で、そうでないときのことを余り想ってみる…
桐野夏生の『路上のX』という小説を読んだ。 (グーグル画像より) 物語に出てくる「JK」という言葉、流行の言葉かもしれないがどこかで聞いた。 小説はたまに読むくらい。 先の大江健三郎さんもその一人として書いていた『大震災の中で』という本に 桐野さ…
希望。 ここでの「希望」は、『人生の終わりをしなやかに』という本にあるので、 重篤な病気を前にしての希望ということ。つまり、治癒の可能性など。 だが、この言葉自体はいろいろなとき、とくに危機に陥った場合、 そこから脱出しようとするとき使われる…
『死について-あらゆる年齢・職業の人たち63人が…』スタッズ・ターケル著 という本を読んで、死についての感想を書いたけれど、また死についての本に 出あった。 『人生の終わりをしなやかに』 清水哲郎 浅見昇吾 アルフォンス・デーケン とてもよかった。 …
『死について-あらゆる年齢・職業の人たち63人が堰を切ったように語った』 スタッズ・ターケル 著という本を読んだ。 死がせまった歳になったからではなく、若いころは(誰でもそうかもしれないが) 個人の「生と死」、それが営まれる社会というものが気に…
『大震災のなかで-私たちは何をすべきか』 内橋克人編 という本を読んだ。 本は東日本大震災が起きてから3か月後の6月にさまざまな方によって書かれた。 いちばん初めが大江健三郎。 その人が先日、亡くなった。 (つい先には坂本龍一さんも亡くなった。 「…
スマホやパソコンはメディア機能がすばらしくなり、多様な楽しみかたができる ようになったので、テレビを見る人が少なくなったといわれる。 けれども、私のばあいは仕事を退いて自由な時間をもてるようになったし、 障害者になったこともあり、逆にテレビの…
その本のその部分に、衝撃をうけた。 ガーン… 私は、自分たちが生きている、住んでいるところ、社会、国が「自由」「平等」で あってほしいが、現実はそうではないと思っている。 私が思う「自由」「平等」な社会とは、誰もが生きやすい世の中だ。 私は、そ…
(また、連続朝ドラ『舞いあがれ』から) 最近の場面が印象にのこった。 (いまでは主人公舞ちゃんは幼友達の貴司くんと夫婦となり、プライベートでも幸せな日々を すごしている) ある風の強い日、停電になり、蠟燭をともして貴司くんと肩をならべていたと…
②「反・目的論」 「自然選択には勝利という目的すら存在しない。 偶発的な異変とそれがもたらした幸運と不運があるだけだ-因果論的な運・不運ではなく、 結果論的な運・不運である。 一つの結論として、ヒトが自然から選ばれたわけではない、という教訓が得…
『絶滅の地球誌』 澤野雅樹・著 という本を読んだ。 (グーグル画像より) ちょっと難しかったので飛ばすところが多く、四分の一くらいしか読まなかった けれど、二つ、強く感じることがあった。 ①「不在の認知の困難」ということと、②「反・目的論」という…
「朝ドラ」というNHKの番組を見るようになったのは、脳外傷を負い、時を同じく 胃ガンにもなった2006年からのこと。 (退院前の栄養士さんの指導で、胃を全摘した者は食べた物がドロドロになるまで咀嚼、できるだけ 食事に時間をかけてと言われたこともあり…
(きょうは「生物多様性」についてですが、便宜的に四つに分けます) ■ 生物多様性 ①「〈生物多様性があるから人間社会はここまで発展できた〉 遺伝子の多様性 種の多様性 生態系の多様性 景観の多様性… 生物としてありえない能力が化石燃料によってもたらさ…
若いころ、自分は「人間」であって、「生きもの」「生物」とは思わなかった。 (あたり前すぎて意識しなかった) 今はまったく違う。 これは「老化」現象のひとつかもしれないが、人間であることを通りこし、 しばしば生物、動物としての自分を感じ、思うよ…
先日、よく聞くようになった「キッチンカー」の特集をテレビでやっていた。 1台では、限られた料理、メニューしか用意、供給できないけれど、 たくさん集まれば災害時に大活躍できるという。 その放送と前後して、「トイレカー」というものが紹介されている…
ファシズムはヒトラー、北朝鮮のような国だけのものではないということを 強く思った。 身近に、それとわからぬよう、そっと潜んでいるものだと痛感した。 ファシズムはヒトラー、キム・ジョンウンだけの「専売特許」、彼らだけが 体現しているのではない。 …
あまりにすばらしいテレビドラマをみた。 『ガラパゴス』という。 NHKのその番組HPには、 働くこと。生きること。誰もが、幸せになっていいはずだ。 団地の一室で発見された、青年の遺体。自殺とされたその死は、大きな悪の構図によって仕組まれた殺害だった…