2021-01-01から1年間の記事一覧
不 雨 花 猶 落 無 風 絮 自 飛 (あめならずして はななおおつ かぜなくして いとみずからとぶ) 雨が降らなくても花はいつか落ち、風が吹かなくても絮(柳の種で白い毛があり「柳絮」 リュウジョと呼ばれる)は、自ずととんでゆく、ということ。 (グーグ…
愛読する爽風上々さんのブログで紹介された本 『〈正義〉の生物学 トキやパンダを絶滅から守るべきか』 山田俊弘・著 を読んだ。 読んで満足まんぞく…、ほんとうによかった。 本の内容は、爽風上々さんのブログ sohujojo.hatenablog.com がすばらしいので、…
たまたま見つけた『ものが語る教室‐ジュゴンの骨からプラスチックへ』が とてもおもしろかった。 著者は盛口満さんといい、現在は沖縄大学の学長。 世界でいちばんと尊敬するお父さんが理科、化学の先生で、生徒さんたちが理科に 興味をもってくれるようにと…
かたそうな書名ですが、全然そんなことなく、すごく読みやすかった。 (著者がカルチャーセンターで講義されたもの) 『今ここを生きる勇気‐老・病・死と向き合うための哲学講義』 岸見一郎 日常のなかでは生活に追われて気がつきにくい、いわれてみて、「あ…
白川静さんの漢字・甲骨文字研究は私のような者でもどこかで聞いたことがある。 (これは2011年、「私が白川先生から学んだこと」というテーマで講演されたもの) 強く感じた「呪い」のことだけ書きます。 (グーグル画像より) ーーーーーーーーーー 内田さ…
「ことばの教育」という題名で2013年、国語の先生たちに講演されたもの。 強く心にひびいた3点だけ述べます。 グローバリズムの大合唱で、以前は中学校からだった英語が小学校に導入された。 (なんと2020年から、小学3.4年生必修化、5.6年生教科化) 著者は…
二つ目の話は「寺を見なおす」です。 (2014年、「全国日蓮宗青年会」で「イスラームは世界的規模のグローバル共同体」という題名で 講演されたもの) ーーーーーーーーーー 寺の話にはいる前に、イスラム教、「テロ」の話があったのでそのことを。 ■ 起源か…
日本の領土問題。 戦後70年以上へても一向に進展しない「北方領土」返還。 近年になり、とつじょ浮上したかのような「尖閣列島」や「竹島」の問題。 (「尖閣」・「竹島」問題は子どものころ《勉強不足かもしれないが》学校ではなかった。私自身は 老人にな…
久しぶりに内田樹さんの本を読んだ。 『日本の覚醒のために 内田樹講演集』という。 「覚醒」という言葉は使いたくなかったが、現在の日本、とくに政治と (それを支える)メディアの「劣化」にはガマンならないのであえて使ったという ----- 私が内田…
続き。 【引用】 「〈「持つ」社会から「借りる」社会へ〉 これまでの発展型社会では、欲望は大きくなっていくのが当然とされてきたので、 欲望を抑えるという発想そのものがありませんでした。 … 〈クローンと欲望の関係を考える〉 もし3歳で亡くなった子ど…
(きょうは世界で初めて原子爆弾が使われた日。場所は広島。3日後には長崎で2回目が) そんなきょうは 『「生きもの」感覚で生きる』 中村桂子 (著者のことは何かで聞いたことがあった。 よくあるお名前ですが、「けい」が「桂」なので印象的で覚えていまし…
本には、唯識に特徴的な言葉(「遍計所執性」「依他起性」「円成実性」など漢字表現の むずかしい言葉《しかし意味は平易》)がたくさん出てくるのですが、興味ある方は ぜひ本書を手に取ってみてください。 (すばらしい本です) 終わりに、とても身近な話…
自分の世界とは、なにごとにつけエゴ的(いまは「自分中心」とという意味)に みたもの、とらえたもの。 だが、「自分」というものについて、横山さんは言う。 ----- 【引用】 「〈「自分」というのは言葉の響きがあるだけ〉 「自分」はほんとうに存在…
(以下の引用文は、引用文そのものは青字、「」・〈〉・()・→・太字・太字はこっちでしたもの) 本題に入る前に。 ■ ちょうど同じころ『宗教とはなにか』というのを読んだ。 宗教とは「大いなるものへの畏怖の心」が、原始、古代、いわゆる「未開社会」 近…
『やさしい唯識』 横山紘一・著 という新書本を読んだ。 「唯識」というのは言葉は聞いたことはあったが、むずかしいだろうという 先入観もあり、延ばしのばしにしていたが、手ごろな入門書を知った。 読んでホントによかった。 (グーグル画像より) 宗教に…
2回目、おしまいです。 ーーーーーーーーーー 【引用】 ①「人々が現実の世界に失望し、バーチャルな世界で自己実現したいという欲求が高まっている。 それをポピュリズムはうまく利用しています。 現実の世界は厳しいけれど、ネットで悪口を書いて相手が炎…
『AIの壁』 養老孟司 という新書を読んだ。 著者は、長いあいだヒトの身体をみてこられたこともあってか、ものごとを考える とき、「身体」からの発想を基本とされる。 心に深く感じたことを2回に分けて書きます。 ーーーーーーーーーー 【引用】 「〈A…
経済産業省のまだ20代の官僚二人が「コロナ給付金」をだまし取り、自分たちの 遊興に使ったというニュースを聞いたとき、唖然とした。 同時に、 「拝金主義」、カネ、カネ、カネ…の世(NHKニュースの終わりで必ず「きょうの株価は…」と 報じられるようになったの…
『自分のなかに歴史をよむ』 阿部勤也 (グーグル画像より) という古い新書を読んだ。 「自分のなか」と「歴史」という言葉に惹かれたのだった。 (阿部勤也さんは有名な歴史学者で、ご専門は中世のヨーロッパ) 中世のヨーロッパには興味はないので阿部さ…
写真を撮るのはホント、楽しくおもしろい。 天気がいいと、陽の光が射しこんで被写体に陰影ができ、撮りたいものが増える。 たまには写真展に出してみようかと思うくらい、自分では芸術性を感じるような 「上出来」がある。 上出来とはあくまで主感で「」付…
終りは、「忘却」(忘れること)と「アイデンティティ(自分であること)」。 ーーーーーーーーーー 「忘却」 【引用】 「「忘れたこと」は何であったのかを忘れてしまうのだ。 つまり、「忘れたこと」の内容は忘却しているにもかかわらず、「『忘れたこと』…
またまた「老い」の話。 こんどは大学の社会学の先生が著者なのですが、アカデミックな中身ではありません。 〈老い衰えゆくこと〉は「できていたことができなくなる」ことであるとし、それが行き着いたところ 「介護」の現場で見聞きした具体的なケースごと…
「老い」の本が続いているが、また読んだ。 (若いお坊さんが仏教の立場で書かれたもの。情熱をこめたやさしい言葉で語られた平易な話だった。 前回の科学の視点からとはまた違い、「老い」といっても切り口によりいろいろある。 それがいい) 『老いて自由…
3回目、最後です。 ③ 「老い」の意味 老いの盛りにある私のような者だけでなく、若い人に読まれてほしい。 (と、強く思った) 終りのころ、「人間にとっての老い」ということで次の一文があった。 【引用】「〈人間にとっての老い〉 生命体に宿っている死と…
② 「老化」はなぜ起きるのか、「死」はなぜあるのか 著者は医学者である。 専門の生命科学の眼から、人生現象としての「老化」を、生物現象としての「死」 の仕組みを述べ、人間らしい老いと死はどうあるべきか、どうあったほうがいいか を深く考え、提唱さ…
「懐古」。 歳をとれば、昔のできごとがなつかしく思いだされる。 過去は「悲」も「喜」もこもごもなのに、「悲」は薄められ浄化され、それさえ なつかしい。 (耐えがたかった悲しみ、苦しみ、辛さを時の長い流れは水と同じように洗い流し、忘れさせてくれ…
図書館で私の借りる本は古いのが多く、順番待ちはない。 本の題名に惹かれただけで借りることもあり「ハズレ」も多く、パラパラめくる だけで「やーめた!」となって、返すものがよくある。 これもそんな1冊だった。 『哲学の密かな闘い』 永井 均 著 新書版…
前回、あんなことを書いたので、久しぶりに禅語を書こうと思った。 (禅語も本から教わったので「読書感想記事」か) 広い意味での禅語は、狭い意味の「禅の言葉」に限らず「仏語」(「フランスご」 でなく「ブツご」)はもちろん、中国の名詩からとった言葉…
ブログをやろうと思った動機は、自分の人生にはまったく予定になかった障害者に なり、「さて、どういう気もちでこれから生きてゆくか…」と悩んでいたころ、 偶然、本屋さんで禅語の文庫本に出会い、知ることになった言葉がとても新鮮に 心に響き、その禅語…
最後③のきょうは、本来的な「働く」。すなわち、「生きる」。 ーーーーーーーーーー ③ 働くことの復権 【引用】 「〈働くことの復権〉 (秋山憲治の言葉)「いろいろな場面で、私たちは身体を動かして社会的に意味のある活動をしている その活動は、場合によ…